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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

」

こう云い終ってから、しまったと久慈が思った瞬間、もう千鶴子の顔色は変っていて今までの眠そうな色はなくなった。

「君、心配しなくたっていいよ。僕の来たこと知れたってどこが悪い。そんなことが悪いようなら今ごろ来るものか。」

久慈は強く畳みかけるように千鶴子を制して一寸黙ると、俄かに腹立たしさが込み上げて来た。二人の仲人役をしたのは自分だのにそれを恐れるからには、そんなら一層恐れさせるぐらいなことは知っているのだと、暫く彼も無言のまま緊張するのだった。しかし、いかにも深夜でなくては思いもよらぬ二人の争いだと気がつくと同時に、久慈はマリアを訪うつもりで戸を叩いた今までの決心も、変りはてた気持ちに転じたものだと苦笑した。

「今夜は真紀子さんと僕、お話にならぬことが起って飛び出て来たんだよ。君たち帰ってから酔っぱらってしまって、そのまま今まであそこに寝てたのさ。ところが、お母さんの夢を見て眼を醒したら、だんだん怖くなって実はこっそり逃げて来たんだ。千鶴子さん君どう思うかね。もし僕がうっかり今日のようなことを明日も続けたら、どうしたって真紀子さんと結婚しなくちゃならんと思うんだが、あの人と結婚して女の人から見た場合どう思えるかね、それが訊きたくてやって来たんだ。