Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
そうして、久慈は、とどのつまり、まったく意志の乱用は自由を失うという教訓を身をもって証明させられる結果となっただけで、この電気遊びは終ったのである。
「ああ面白かった。でも、がちゃんとぶつかるときは恐いわね。」
円形のホールを降りてからそういう真紀子と並び、久慈は、マロニエの間を矢代たちと歩いた。彼は生活の縮図から解き放されたほッとした安らかな気持ちだったが、見せつけられた人生の見本から立ち去って歩んでいる今のこの延びやかさは、つまりは際限のない死のようなものかもしれぬと思った。
円形のホールを振り返ると、檻の中ではまた新しい客たちの火華を散らしているのが樹の間から眺められた。久慈はより添って来る真紀子に何ぜともなく情愛を強く感じ、腕を支えてホテルの方へ歩いていった。今はもう彼は千鶴子や矢代のことには介意ってはいられなかった。
当分の間は久慈は真紀子の部屋で泊ったり真紀子が久慈の部屋で泊ったりした。ときにはまた二人でどこかのホテルで一泊したりしたが、久慈は外見一点の非のうちどころもないほど完全に真紀子を愛するように努めてみた。街を歩くときにも外人のように腕まで支え、あれを食べたいと真紀子が云えばそれを食べさせ、またこれが見たいと云えばそこへも行った。