Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

あたし、あなたがいつもそんなこと思ってらっしたのが、何んだかしらいやアな気持ちよ。毎日あんなに楽しかったのに――」

「ですからそこじゃないですか。僕だって同じですよ。」

こうなっては矢代も、もう思っていることをみんな云うべきときだと覚悟をするのだった。

「僕は前からこんなことを気づかれはしないかと、いつもびくびくしてたんですよ。何も僕とあなたが特に二人にとって、間違いなことをしているとは少しも思っちゃいないですよ。けれども、何んと云ったところで、ここは外国でしょう。ですから、あなたも僕も島流しになった二人みたいで、僕たちの心の通じるのは広くたって三人か四人でしょう。それなら、親切にしたり喧嘩をしたりすることは当然なことで、檻の中の友人のようなものだから、これらのものがそれぞれ日本へ帰って自由な身になったら、島流しになっていたときと同じ心でいるわけはないと思うのです。それも無理に島流しにあっているこんなときを、大切にしているならともかく、それだって、帰れば周囲のものがそのままにさせておくものじゃないんですからね。ですから、それを僕は考えると、もっとあなたを自由にさせておかないと、いつかあなたが僕を恨むようなときが必ず来るんじゃないかと、実はまア、あなたの困るときばかりを想像して、不吉なお話もしたわけです。