Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「パリの人間は見送りというものをしないそうだが、日本人は好きだなア。送ったり迎えたり。――」

「そうね。」

二人は強いてこんな意味のない言葉ばかりを探さねば、何か持ち切れぬ感情の重さに潰れそうな不安を感じ、自然とどちらも暗黙の警戒をするのだった。車がセーヌ河をぬけるともう飛行館へ近づいて来た。飛行館には真紀子と久慈と東野との三人が先から来て待っていた。

「ゆうべは電話をかけようかと思ったんだが、あれから映画を観に行った。元気はいいのか。」

と久慈は降りて来た矢代に訊ねた。無表情ながら何んとなく、負惜しみを云ったってやはり恰好はつけただろうと冠せる気組みも見え、矢代は答えに窮して黙った。それぞれもう飛行館に着いた安心さで皆が立話をしているとき、ひとり放れていた東野が、

「荷物。荷物。」

と矢代に注意した。矢代はスーツケースを検査場へ運びながら、この方が痛いなと思い、目方を計って貰っているところへ塩野が来た。彼は東野を見るとまだ皆に挨拶をせぬうちから、

「昨日はひどい目にあった。サンゼリゼで右翼と左翼の衝突があってね、僕はその間へ挟まれちゃって、殴られた殴られた、まだ頭痛いや。