Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「実際おかしなものだ。まア誰も彼も、遊ぶときまで論理論理と云ってるよ。僕はまるで論理の景色を見に行ったようなものさ。世界の人間がこんなになってしまえば、何んか起るぞ今に。」

「まア、僕はフランスを見ないから何んとも云えないがね。しかしそれはそうだろうな。」

「見たって云えないよ。――とにかく、僕は何も、どこの国に心酔して行ったというわけでもなし、特にフランスを見たくって行ったわけでもないが、まア、地球というものは円いものかどうかと、検しにいってみたような結果だな。しかし、たしかに地球は何んとなく円いと思ったね。」

矢代は特に謙遜や弁解を示そうとしてこんなに云ったのではなかった。振り返って旅中のことを思いめぐらす自然の言葉が、加わる疲れとともに、このように弱まって出たのであった。それは考えると物足りなく寂しかったが、そうかといって、この夜も昼もフランスでなくては納まらぬ田村の前で、ここのこの小料理屋の木目が、今の僕には神殿の木目の美しさに似て見えるのだと云ったなら、この田村は何んとふれ廻って歩くことだろうと、云いたいことも、一途に彼は抑え慎しむことに努力した。