Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
矢代は初めこれらのことも当然だと思い、気にもかからず尊敬さえしたのだが、それがどこでもここでも、同族のものを軽蔑する主要な原因のごとき観を呈している醜さを発見してからは、勉強とは云え、あまりにその修練の人格の無さに腹立たしさを感じ、多少は知っている異国の言葉もそのものの眼の前では、つい彼は使いたくはなくなった。そして、以来頑固にひとり日本語を押し通して用を足す反抗をつづけてみたが、まったく通じない日本語も、行くところどこでも不便少く目的を達したのを思うにつけ、知っている日本語さえ話さぬ西洋人の思惑や工夫もまた感じられて、一層彼は日本人の争いに眉がひそんで来るのだった。
「もう遅いですからお土産は明日にして、今夜はお母さん、休みましょうよ。」
スーツの中には買い蒐めた品もあり、その後に遅れて船で着く珍らしい土産のあるのも、まだつきぬ旅の名残りとなって矢代に明日を待たせるのであった。
二三日家にいて、矢代は母の郷里の温泉へ休養に行くことにした。外国から帰ったものでそのまま家に滞っているものは、どういうものか、原因不明の高熱がつづき、入院する危なさを通るのが例である。