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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

と思われた。彼の家の紋章は二つ巴だったが、西園寺家の紋章と同じなことを矢代は探りあてたとき、西の国の荘園という意味に西園寺家を解しても、二つ巴を同じくする理由も頷けた。彼はこの紋章と、大鉈で断り払ったかと見えるテーブルに似た岩山が、晴れた空にくっきり聳え立った父の村里の風景とを思い合せるごとに、それが先祖の頭から消えたことのなかった日日の生活の背景かと思い、月の射す夜など砦の石の崩れも泛んで感傷を覚えた。又それを滅ぼした大友宗麟に対して今さら怨恨はなくとも、彼の信じたカソリックと、それの持ち込んで来た火薬に対しては、自然に自分と元素を違えた種のように感じられ、ともにそれらの生い立ちや仕業を検べたい好奇心も強く動いた。殊にどういう偶然か千鶴子までが宗麟と同類のカソリックだということが、意識の底で弾き返るものがあるだけ、また矢代には何んとなく魅力も生じた。彼はそれをカソリックという異種に対する自分の魅力だと思うと、その自分のひけ目が不快になり、同時にまた千鶴子を愛人と思うことにも、ともすると、赦しがたいある気持ちも感じて来るのだった。

矢代はそういう気持ちにふと襲われたりするとき、いつも細川ガラシヤを妻とした忠興の苦衷を歴史の中から探り出して想像した。