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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

」

矢代は考え込むと見舞いに行けない事情に今さらいら立たしさを感じて、突然塩野の返事をうながすように訊ねた。

「さア、そこがね。」

「遅くても来るものなら、そのうち僕にも来るかもしれないんだ。」

「じゃ、君はまだだったの?」と塩野は意外そうな表情で訊き返した。

「僕は東北の温泉へすぐ逃げたのさ。いやらしいからね、そんなのにやられちゃ。」

「それや、卑怯だ。」

塩野は急に鋭い声でそう云って笑い、矢代から顔を背けた。

「ところが僕のはまた一寸違うので、母が東北なものだから一つは先祖に敬意を表したくなっていったのさ。これが卑怯なら、自分を知らぬもののいうことだよ。どうも僕は、先祖のしたことが急にこのごろ気になって来てるんだ。」

「しかし、先祖というものは、力試しに少しは子孫に反抗させてもみたいものじゃないのかな。僕はどういうものか、死んだ父が漢学者なものだから、せめてお前だけは俺の知らぬものをやってみよと、そんなに云ってるように思えてね、それで僕はこんなカメラとフランス語とをやってるんだと思ってるんだが。」

「そこまで知っていてやる人なら、まア僕らのすること少しは赦されるんだと思うんだ。