Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
」
「そこのところか。なるほどね。」
塩野というこの写真の達人の苦労が、カメラという科学の眼をぼかす苦しさに変ったこれが個展かと思うと、矢代には、また更まった意義深いものが生じて来て壁面を見直した。
ホールに観覧人が増して来たがみな静かだった。何かしかし矢代には見ているうちに、考えきれないものばかりを見事な統一をもって緊めているのを感じ、優れた塩野の腕前も次第によく分って来るのだった。
「やはり君は東洋の名人だね。カソリックを少しぼかして見せなければやりきれないんだから、なかなか親切な人だ。どうも有り難う。」
と矢代は礼をのべて笑った。
窓から外を見ると、日を浴びた群衆の帯が建物の切れ目いっぱいに流れつづけていた。これも異端者ばかりだった。
塩野は入って来る知人の応接に暇もなくあちらへ往ったり戻ったり絶えずした。
寺院の写真のせいかみな誰も脱帽で、外套まで脱いだ観覧人の姿がホールを美しく浄めていた。
そのとき矢代の肩に軽く手が触り、千鶴子が後から彼を呼びとめた。
「山ではありがとう。」
「やア、あのときはどうも――急に街の中へ出て来たので眩暈いがしましてね。