Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
久木男爵も敏感にそれと察したらしかった。
「やはりわれわれに難しいのは、科学のことだなア。」とひとり老人は呟いて、そして暫くしてからまた矢代に、「あなたはさっき自分らの考えている東洋と西洋とのことは、十四五世紀の問題として見ると、そんなにあの部屋で仰言ったが、あれはどういうことです。あれが一寸分らなかった。」
「そこが僕にも難しいのですが、しかし、こういう人がいるのです。それはラフカディオ・ヘルンというギリシア人で、明治も晩年の三十七八年ごろに、日本の現在を社会進化の状態として見ると、キリスト誕生前四五百年のころの西洋と同じだと云っているのです。ヘルンが死んでからおよそ四十年近くにもなっていますが、この間の日本の四十年は西洋の千年ぐらいの経過にあたっていると、僕はまア仮定して云ったのです。しかし、そうしてみても、僕らにとってはまだキリストは生れていないわけですよ。」
一同は急に笑い出したがすぐまた一種くすぐったそうな薄笑いで黙った。
「しかし、キリスト教が現在日本にもあるというわけは、やはり生れているのも同じでしよう。」
と、そう云ったのは遊部だった。