Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
」
「じゃ、あなたはパリ人の中でも日本人らしい人なんですね。」
「それはどうかしら、自分のことは分らないから。」
このような会話を矢代は詰り詰り云いつつ婦人を機械と見ねばならぬ冷たさから、一種の明るいヨーロッパ式な気軽さも感じて話が楽になって来た。
「僕はどういうものか、パリへ来てから日本のことが気にかかるんですよ。あなたは日本のこと書いてある新聞を見たら、これから皆買って来てくれませんか。僕は三倍の値で買いますから。」
「駄目よ、日本語で云っちゃ。もう一度。」
とアンリエットは笑いながら矢代の口を手で制した。
矢代は会話が面倒になって来ると、純粋な発音を習うためにアンリエットに本の音読を頼んでみた。すると、一つの本を二人で見なければならぬ必要から、アンリエットは椅子を動かし頬も触れんばかりに近づけた。矢代は何んの計画もなく音読を頼んだのに、それがこんなにま近くよりかかられると、これは失敗したと後悔した。アンリエットにしては、語学を習う日本人なら、何れこの姿勢が面白くて習うのだと思い込んでいるらしい様子がまた矢代に落ちつきを与えなかった。
矢代はサシャ・ギトリの戯曲の会話をアンリエットに随って、自分も読みすすんだ。