Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
そんなことを思ったりしちゃ、途中で死んだり病気したりすると云うのだ。いつも毎日やることを、今日もやるんだと思って、平然とやると、らくらくと出来るらしいんだが、それは僕にいろいろ暗示を与えてくれて良かったね。」
平尾男爵のそう云うのを面白がったのは、誰よりも東野だった。
「地獄や天国が見えるのかね。それはいい。しかし、またどうしてそんな人間が、そのまま断ち切れて人に伝わらないのかね。後が続かなくちゃ勿体ないじゃないか。」
「何んでもそれは、そんな人間は素質が初めからあって、自分が知らなくても、ぽッとその者の頭の後に円光がさしているらしいんだよ。ここにいる者らは、まア皆落第だね。見たところ、誰も円光は見えないよ。」
テーブルの周囲のものらは笑いながらそれぞれ各自の頭を見廻した。
「もしかしたら、幣帛だってそういう人が、何かの暗示で白紙を切ったのかもしれませんね。そうでなければ、そう長くただ一枚の紙がつづくものじゃないからな。」と、矢代は、このときはもう真面目な心にひびく声で、
「僕は数学というものは、そういうものだと思いますよ。これは無目的で、私心がないというその無目的な美しさが美しいんだと思う。