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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「しかし、あなたは日本の太古にそんなことがあったなんて、本当に思われるんですか。」と遊部はまた真正面から矢代を見て訊ねた。その顔はもう怒ったように生真面目だった。矢代は、そういう遊部と対き合うと、まったく遊部のその正直さも無理ならぬことと急に思えて来るのだった。遊部とは限らず、矢代たちの時代に受けた教育では、ニュートンを信用するのは当然のことで、この遊部の思いを翻すことなど容易に出来ることではなかった。しかし、彼と同時代の青年の中にも、槙三のような、幣帛の姿から胸打つものを見た感動ある新鮮な能力も蘇っているのを思うことは、矢代にさらにまた別の感動を加えるのだった。それは驚くべきことと思い、見ている卓上の布の白さも心を休める美しさに見えて来た。

「まア、僕たちは一番正直に考えるべきところへ来てしまったのですよ。あなたも僕も、どういう巡り合せか、そうなって来たのだから、なるたけ僕らは感傷を避けて、古代文明の新しい数学に驚きましょう。実際、意志や感情じゃどうしようもない、美しい姿がある以上は。」

「じゃ、そのうち、僕も御幣を担がせて貰いましょう。」と遊部は静にいって、皿の上のマヨネーズを攪き廻した。