Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほど、これは不慮の失策だったと矢代は思った。

「悪いというほどもないのですが、向うで日本食を少し続けて食べたときは、誰でも胃が悪くなるんですよ。そのくせどういうものか、一週間に一度は食べないと、日本で米にあたって来ている中毒を急に脱いでは、体を壊すと、まアそんなことが云われているのですね。しかし、事実、米を食べた日は胃が重くなって、少し憂鬱に黙り込むようになるのは、僕だけじゃないようです。やはり、その土地のものを食べるというのが、一番人体にはいいようですね。」

無理に弁明したのでもなく、しかし、幾らかは弁解をまぬかれない、板挟みに合った感じで、矢代は、ただの客とは違う自分の位置の難しさを一層感じ、やはりこのような息苦しさは生れて初めてのことだと思った。

「そんなことどなたかにもうかがったようでしたわ。西洋人が日本へ来て洋食をいただいてると、だんだん頭が悪くなるんだとか、その方のお話、なかなか面白いこと仰言ってらっしゃいましたですよ。はア、そんなものかしらと、あたし思いましたが、そうでございましょうねえ。それでその西洋人の方、日本食をこちらでいただくようにしたら、御自分がお国にいらっしゃったときのように、また頭がよくお癒りになったとかうかがいましたわ。