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Japanische Klassiker mit Furigana

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じつげつボール

日月ボール

小川 未明

Lesen Sie 日月ボール (じつげつボール) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.923 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

いいお天気の日で、空はよく晴れて雲の影もありませんでした。山や、谷の木の葉は、きらきらと日に輝いていました。ちょうど高い山の頂にさしかかると、一人の男が、石に腰をかけて、なにか、しきりにやっています。見ると、金光りのする、日月ボールでけいこをしているのでした。こんなところで、どうしたのだろうかと思うと、きちがいででもあるような気がして、怖ろしくなって急いで、山を下ったというのであります。

「小父さん、どうして、そんな山の上で、日月ボールをしていたんだろうね。」

「だから、きちがいかと思ったのさ。」

「きちがいでなかった?」

「それは、わからない。」

「どうして、そのボールは、金光りをしていたんでしょうね。」

「きっと、金粉を塗ったのだろう。そうでなかったら、重くて、けいこなんか、できやしない。」

「不思議だな。」

「ああ、それからは、小父さんは、夜になって、あちらの空で、星が、ぴかぴか光るのを見ると、あの男が、いまでも、あの高い山の上で石に腰をかけて、日月ボールをやっているように思うのさ……。」

清さんは、こんな話をしました。孝ちゃんは、たとい、きちがいにしても、どうして、一人で、そんなところへいったのだろう? そしてそれから、その人は、どうしたろう……と、考えずにいられませんでした。