Japanische Klassiker mit Furigana
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にちげつさま
日月様
Lesen Sie 日月様 (にちげつさま) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.162 Zeichen · 23 Bildschirme
先日はどうも、麻薬で失敗いたしましたが、あれなんかも、私自身は、これっぱかしも用いたことがございません。ひどく健全なるもんでして、女房子供をなんとか養って、エッヘッヘ実は、女房も、私のこの女装については、知っちゃいませんのです」
彼の細君は、却々の美人なのである。然し、それだけ、威張りかえって、非常に冷い女であった。
私が彼と知り合った戦時中、彼は細君の実家が農家であるところから、そのおかげで人の羨む食生活をしており、完全に女房に頭の上らぬ状態でもあったのである。そのことが焦りとなって、一カク千金、彼のような小心なケレンのない好人物が賭場へ入りびたるようになったらしい。教養のない女が生活の主権を握ると、まことにつけあがって、鼻持ちならぬ暴君となるもので、彼が尻の下にしかれた生活ぶりは、私には見るに忍びがたいものがあった。女房という暴君がなければ、彼は昔も今も実直なセンバン工であり、賭場へ入りびたったり、女装してヤミ屋の片棒をかつぐ必要もなかったであろう。彼は国民酒場へ行列したが、小さなジョッキ二つのめば充分に酩酊し、余分の券はみんな私にユーズーしたほど、酒についても無難な人物であった。