Japanische Klassiker mit Furigana
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Lesen Sie 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.092 Zeichen · 45 Bildschirme
「もとより父に向いてはかえすことば知らぬ母に、わがこころあかしてなににかせん。されど貴族の子に生れたりとて、われも人なり。いまいましき門閥、血統、迷信の土くれと看破りては、わが胸のうちに投げ入るべきところなし。いやしき恋にうき身やつさば、姫ごぜの恥ともならめど、このならわしの外にいでんとするを誰か支うべき。『カトリック』教の国には尼になる人ありといえど、ここ新教のザックセンにてはそれもえならず。そよや、かのロオマ教の寺にひとしく、礼知りてなさけ知らぬ宮のうちこそわが冢穴なれ。」
「わが家もこの国にて聞ゆる族なるに、いま勢いある国務大臣ファブリイス伯とはかさなる好みあり。このことおもてより願わばいとやすからんとおもえど、それのかなわぬは父君のみ心うごかしがたきゆえのみならず。われ性として人とともに歎き、人とともに笑い、愛憎二つの目もて久しく見らるることを嫌えば、かかる望みをかれに伝え、これにいいつがれて、あるはいさめられ、あるはすすめられん煩わしさに堪えず。いわんやメエルハイムのごとく心浅々しき人に、イイダ姫嫌いて避けんとすなどと、おのれ一人にのみ係ることのようにおもいなされんこと口惜しからん。