Japanische Klassiker mit Furigana
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lesen Sie 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.545 Zeichen · 140 Bildschirme
どれもどれも平凡きわまった女子ばかりである。
あちこち迷った末に、翁の選択はとうとう手近い川添の娘に落ちた。川添家は同じ清武村の大字今泉、小字岡にある翁の夫人の里方で、そこに仲平の従妹が二人ある。妹娘の佐代は十六で、三十男の仲平がよめとしては若過ぎる。それに器量よしという評判の子で、若者どもの間では「岡の小町」と呼んでいるそうである。どうも仲平とは不吊合いなように思われる。姉娘の豊なら、もう二十で、遅く取るよめとしては、年齢の懸隔もはなはだしいというほどではない。豊の器量は十人並みである。性質にはこれといって立ち優ったところはないが、女にめずらしく快活で、心に思うままを口に出して言う。その思うままがいかにも素直で、なんのわだかまりもない。母親は「臆面なしで困る」と言うが、それが翁の気に入っている。
翁はこう思い定めたが、さてこの話を持ち込む手続きに窮した。いつも翁に何か言われると、謹んで承るという風になっている少女らに、直接に言うことはもちろん出来ない。外舅外姑が亡くなってからは、川添の家には卑属しかいないから、翁がうかと言い出しては、先方で当惑するかも知れない。