Japanische Klassiker mit Furigana
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lesen Sie 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.545 Zeichen · 140 Bildschirme
「はなはだむさくるしい所で」と言いつつ、道翹は閭を厨のうちに連れ込んだ。
ここは湯気が一ぱい籠もっていて、にわかにはいって見ると、しかと物を見定めることも出来ぬくらいである。その灰色の中に大きい竈が三つあって、どれにも残った薪が真赤に燃えている。しばらく立ち止まって見ているうちに、石の壁に沿うて造りつけてある卓の上で大勢の僧が飯や菜や汁を鍋釜から移しているのが見えて来た。
このとき道翹が奧の方へ向いて、「おい、拾得」と呼びかけた。
閭がその視線をたどって、入口から一番遠い竈の前を見ると、そこに二人の僧のうずくまって火に当っているのが見えた。
一人は髪の二三寸伸びた頭を剥き出して、足には草履をはいている。今一人は木の皮で編んだ帽をかぶって、足には木履をはいている。どちらも痩せてみすぼらしい小男で、豊干のような大男ではない。
道翹が呼びかけたとき、頭を剥き出した方は振り向いてにやりと笑ったが、返事はしなかった。これが拾得だと見える。帽をかぶった方は身動きもしない。これが寒山なのであろう。
閭はこう見当をつけて二人のそばへ進み寄った。そして袖を掻き合わせてうやうやしく礼をして、「朝儀大夫、使持節、台州の主簿、上柱国、賜緋魚袋、閭丘胤と申すものでございます」