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Japanische Klassiker mit Furigana

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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

Lesen Sie 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.306 Zeichen · 300 Bildschirme

Aozora Bunko

「この間私の留守のまに君来てくれたそうだけれど残念だった。何か用でもあったの?」

面と向っても黙ったまま何とも口を利かないので、私の方から口をきった。そして私は腹の中で、この女の勝手につけてはよく饒舌りながら、気の向かぬ時は怒ったようにむっつりしているのを、柳沢によく似た女だなと思っていた。

「この間は用があったけれど、もう何にもない」

まるで義理で口を利くような物の言いぶりをする。

「けれど来た時はどんな用だったの。それを聞かないと何だか気になってしようがない」

私はやさしく訊いた。

「いったってしようがない」お宮はまた怒ったようにいった。

それで私もその上強いて訊こうとはしなかった。そして横になってから、

「私、朝鮮に行くかも知れないよ」と、考え深そうにしていった。

「また例の男が何とかいって来るの」私はこの女を遠くに手放すのが惜しいようで、それをきくとたちまち失望を感じながら「そんなに朝鮮なんかへゆかなくたって、東京でどうかなるだろう」

「だってしようがないもの。もう女郎にでも何にでも身を売って、その金をやってこんどこそ縁を切ってしまう」

そんな話しをしていても、さらばどうしたらばよかろうかとか、何とか私を頼りに相談を持ちかけるという風でもないので、こちらもあっけなくって、勝手にしろと思って泊らずに早く帰った