Japanische Klassiker mit Furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lesen Sie 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.306 Zeichen · 300 Bildschirme
いろいろな素振りで、私にはもうお宮の私と柳沢とに対する本心がわかったから、私は怨恨と失望とに胸を閉されつつ、どうかして私からお宮にやっている手紙を取り返すことに苦心した。
二、三日立ってからであった。私にはふとしたことから柳沢とお宮とがどこかで逢っているような気がしてたまらない。それで柳沢の家を覗いて見ると老婢が一人留守をしていて柳沢はいない。いよいよお宮のところにいっているに違いないと思うと、ますます手紙のことが気になりだした。で、すぐその足でお宮を置いている家までやって行った。
八時ごろだったから売女は大方出ていって家内は女中のお清が独り留守をしていた。
「お主婦さんはどうしたの」といいながら私は例の通り長火鉢の向うに坐った。
「おかみさんも今ちょっと出ていませんよ」
「宮ちゃんは今日どこ?」
「ちょっとそこまで行っています」
「今晩は帰らないだろう」
「ええ、帰りませんでしょうなあ」
私は、もうどうしても柳沢と逢っているに違いないような気がして来た。
「いつから行っているの?」
「もう大分前からですよ」
「大分前からって、いつごろから?」
「そうですなあ。もう一昨日、その前の日あたりからでしょう」