Japanische Klassiker mit Furigana
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たわらとうだ
日本の英雄伝説
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の英雄伝説 (たわらとうだ) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.666 Zeichen · 84 Bildschirme
」
というなり、さっそく鎧を着たり、兜をかぶったり、太刀をはいたり、ずんずん支度をはじめました。
綱も、外の三人もみんなお酒に酔っていました。
貞光は、その時あざ笑いながら、
「おい、ただ行ったって、何かしょうこがなければわからないぞ。」
といいました。綱は、
「じゃあ、これを羅生門の前に立ててくる。」
といって、大きな高札を抱えて、馬に乗って出かけました。
真っ暗な中を雨にぬれながら、綱は羅生門の前に来ました。そして門の前を行ったり戻ったり、しばらくの間鬼の出てくるのを待っていました。けれどいつまでたっても、鬼らしいものは出て来ませんでした。綱はひとりで笑って、
「はッは、鬼め、こわくなったかな。やはり鬼が出るというのはうそなのだろう。まあ、せっかく来たものだから、高札だけでも立てて帰ろう。」
と独り言をいいながら、門の前に高札を立てました。
「やれやれ、つまらない目にあった。」
綱はぶつぶついいながら、そのまま帰って行こうとしました。あいにく雨が強くなって、風が出てきました。真っ暗な中で綱は、しきりに馬を急がせました。
ふと綱の乗っていた馬がぶるぶると身ぶるいをしました。