Japanische Klassiker mit Furigana
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いも
日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)
佐左木 俊郎
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二) (いも) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.241 Zeichen · 54 Bildschirme
そしてこの小学校は、田舎の小学校だか、都会の小学校だかわからなくなって了った。」
教師は言いながら、煉瓦色の白墨で、地図の上に一本の彎曲線を描いた。生徒等は忍び笑いをして、低声に囁き合った。
「騒いではいけない。さあ、此方を見て……」
彎曲線の内部は煉瓦色で塗り潰されていた。
「ところでと、一体、どうして市街地は、斯うどんどん拡って行くのだろう? まさか校長先生のように、御馳走をどっさり喰べたと云うわけでもあるまい。」
「人口が殖えたからであります。」
「うむ。それもたしかに一つの原因だ。はいっ!」
「田舎の人が、百姓を廃めて、誰も彼も町へ行って商人になるからであります。」
「それもあるだろう。他に……」
「工業が発達して来たからであります。」
ガザガザアン!
凄まじい音が建築場で撥ねた。混凝土捲揚機の樋がはずれたのだ。空で鳴っていたクレインの音が止み、人夫等が呶鳴り合い騒ぎ合った。
「おおっ!」
「どうしたんだろう?」
生徒達は総立ちになって窓に眼をやった。
「騒ぐんじゃない。騒ぐんじゃない。」
教師は鞭を撓めながら、教壇をおりて、ゆっくりと窓際へ歩み寄って行った。