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Japanische Klassiker mit Furigana

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じょきゅう

日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集

細井 和喜蔵

Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集 (じょきゅう) von 細井 和喜蔵 (ほそいわきぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.732 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は、今度向島請地の笑楽軒というのへ住み込んだ。食卓がたった二個しか据えてない小さな店だのに、それで二人も女給がいるのであった。朋輩の女性は其処で働くのが始めてだという話。登恵子が見ていると、彼女の番に当った客は、

「ボーイさん、カツ一枚とビール一本。」と言って注文した。すると彼女はきまり悪そうな声で。

「カツ一丁……。」とコック場へ向って呼んだ。

それから三十分程たって客が出て行くと主人は不機嫌な顔でつかつかっと店へ出て彼女を叱りつけるのであった。

「お前、何遍言ってきかせてもそんな腕の鈍いことでは駄目だよ。ボーイの腕が鈍い為めに店の収益は些ともあがらねえ。」

笑楽のおやじは半分登恵子にも当てつけるように言った。

「お客がビール一本注文したら三本位持って行って了うのだよ。カツレツなんか注文したら、そんな吝くさい物を食べずにたまにゃ最と上等の料理おあがりよ、そしてあたしにも驕って頂戴ってせぶるんだ。」

主人は新しい子にこうして押し売りを強いていた。併しこれも半ば登恵子に当てつけたような言い方なのである。朋輩は此の無理難題を一言の口答もせずに御尤様で聴いているのだったが、登恵子はもう我慢が出来なかった。