Japanische Klassiker mit Furigana
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じょきゅう
日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集
細井 和喜蔵
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集 (じょきゅう) von 細井 和喜蔵 (ほそいわきぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.732 Zeichen · 33 Bildschirme
路はとげとげな炭殻だった。わけても鋳物工場から放り出した瓦斯コークスの塊ったクリンカーや金糞が、恰かも火山帯へ行って凝固した熔岩の上を歩くような感じを与える。
まがりくねって、幾度も左折右折した小径を、彼は暫く歩んでいると組合運動をやって解雇になったモスリン工場の裏へ出た。死の幕のようなどす黒いトタン塀の中では、ごうごうと機械が運転して居る。
彼は其処を馘になってからというもの、如何にしても口が見つからなかった。もっとも、織布機械工という自分の職を捨てて了って馬鹿のような仕事を住み込みでする日になればまんざら仕事が無い事もなかった。しかし専門学校へまで行って習って、十数年という永いあいだいとなんで来た技術をむざむざ捨てるにしのびなかった。また、彼が住み込みで行って職に就く日になれば、当然世帯をたたんで夫婦別れ別れにならなくてはならぬので、二人はそれをすまいため三度の食事を一度に減じても我慢して籠城し、最後の運命まで闘う覚悟して居った。そしてそのために、妻はカフェーの女給に行ってチップで米代を稼いで来るのだった。
二
工場地帯をすっかり出離れて了った郊外まで行って、彼がやっと一摘みの青草をむしって帰ると、妻はもう仕事に出て行っていなかった。