Japanische Klassiker mit Furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Lesen Sie 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.771 Zeichen · 313 Bildschirme
声の下より、皆起って突かかり、瞬く間に、政宗の先手を七八町ほど退かしめた。政宗の先手には、かの片倉小十郎、石母田大膳等が加っていたが、「敵は小勢ぞ、引くるみて討ち平げん」など豪語していたに拘らず、幸村の疾風の兵に他愛なく崩されてしまったのである。
これが、世に真田道明寺の軍と言われたものである。
新鋭の兵器を持って、東国独特の猛襲を試みた伊達勢も、さすがに、真田が軍略には、歯が立たなかったわけである。
幸村は、それから士卒をまとめて、毛利勝永の陣に来た。
そして、勝永の手を取って、涙を流して言った。「今日は、後藤又兵衛と貴殿とともに存分、東軍に切込まんと約せしに時刻おそくなり、後藤を討死させし故、謀空しくなり申候。これも秀頼公御運の尽きぬるところか」と。
この六日の朝は、霧深くして、夜の明も分らなかったので幸村の出陣が遅れたのである。若し、そんな支障がなかったら、関東軍は、幸村等に、どれ程深く切り込まれていたか分らない。
勝永も涙を面に泛べ「さり乍ら、今日の御働き、大軍に打勝れた武勇の有様、古の名将にもまさりたり」と称揚した。
幸村の一子大助、今年十六歳であったが、組討して取たる首を鞍の四方手に附け、相当の手傷を負っていたが、流るる血を拭いもせずに、そこへ馳せて来た。