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Japanische Klassiker mit Furigana

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あねがわのかっせん

日本合戦譚

菊池 寛

Lesen Sie 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.771 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

敵の前哨は全く蹂躙されて、約半里も北に圧迫されて居る。此の時四条隆資軍に牽制されて居た生駒山方面の敵は、この有様を俯瞰して、四条軍を捨ててどっと山を下り、楠軍の後続部隊に躍りかかった。つまり思わぬ新手の出現で、楠軍の突進隊は後方から切断された訳だ。

此の時正行の手兵僅かに三百。なおも果敢な肉迫戦を続けて行く中、流石の師直の本陣もさっと左右に靡いた。踴躍して飛び込むと、早くも師直は本営を捨て、北方、北条村に退かんとして居る。恰も此の辺は沼沢地であり、走るに不便だ。追うこと暫くして、其の間半町、将に賊将を獲んとした時、賊将上山六郎左衛門、猝って師直の身代りになって討死した。

その為に大分暇をとった。それでも執拗に追撃の手をゆるめなかったが、突然敵方に強弓の一壮漢が現れた。九州の住人、須々木四郎と名乗って雨の如く射かけたから堪らない。

楠次郎は眉間をやられ、正行も左右の膝口三ヶ所、左の眼尻を深く射抜れた。

午後四時頃であろう。野崎の原頭、四条畷には群像の如き三十余騎の姿が、敵軍に遠く囲まれながら茫然として立ちすくんで居る。長蛇を逸した気落ちが、激戦三十余合で疲労し切った身体から、総ての気力を奪い去って居る。