Japanische Klassiker mit Furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Lesen Sie 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.771 Zeichen · 313 Bildschirme
胸壁を築きたくも、砂が無いので、近衛の工兵が、山麓から、土砂を採って袋に入れ弾雨の中を背負って運送し、自壁を急造した。
此時は、両軍の距離が十米で、陸軍の旧制服や、海兵服や莫大小の股引等の服装をした薩兵が、手にとる如く見えた。
午後になって抜刀隊の巡査五十名を間道から進ませ、歩兵また、装剣して待機し、喇叭を合図に、全軍一斉に挺進して数十人を斬り、砲塁全部を恢復し得た。
午後四時であるから丁度十二時間の戦闘である。抜刀隊中、死する者十二人、傷者三十六人と云うから、ほとんど全滅したわけである。
三月二十日、官軍いよいよ最後の総攻撃を決したが、連日の激戦にも拘らず、おしまいは案外容易に占領する事が出来た。天険田原坂も此日をもって完全に陥ったのである。
この日、昨夜からの豪雨が、暁になっても止まない。朝の五時には食事を終った官軍は、二俣口から渓谷を渉り、田原坂の横に潜行して、各自部署に就いた。待つ事少時、三発の号砲を聞くや、躍進して迫り、右翼第一線の塁を抜いた。二俣口から放つ砲弾も、盛んに後塁に落下して居る。
夜は既に明け放れて山霧全く霽れ、雨足も亦疎らになった。