Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.412 Zeichen · 25 Bildschirme
ほうむりの式の済んだ夜、由利は弁之助を母の位牌の前に坐らせ、燈明と香をあげてからしずかに云った。
「弁之助さんよくお聞きなさい、お母さまはお亡くなりになるまであなたのことをなによりも案じていらっしゃいました、お亡くなりなすった今も、そしてこれからさきも、お心だけは此処から離れないで、あなたがお丈夫に育つよう、世の中のため、お国のためにやくだつりっぱな人になるよう、いつもおそばについて護っていて下さいます、わたくしはお母さまからあなたのことをお頼まれ申しました、ふつつかなわたくしには及びもつかない役目ですが、できるかぎりはおせわをしてさしあげるつもりです、けれどもなにより大切なのはあなたご自身ですよ、叔母さまがどんなにつとめても、あなたが凜となさらなければなんにもなりません、これまでよりはいっそうお心をひき緊めて、人にすぐれたさむらいになるようしっかり勉強を致しましょうね」
口ぶりはしずかだったけれど、きちんと端座した姿勢やまなざしには、これまで見たことのない屹としたものがあった。弁之助はびっくりしてまるで見知らぬ人の前へ出たような気持になり、はいと答えながらわれ知らず眼を伏せてしまった。