Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.187 Zeichen · 24 Bildschirme
「おまえにはおれの気持がわからないのか、おれがそんなことを不足に思っているようにみえるか、おれがおまえを西村へかえす決心をしたのは」
「わかっております、わたくしにはわかっておりますの、父上さま」
お高は父にそのあとを続けさせまいとしてさえぎった、
「わかっておりますけれど、お高はいちどよそへ遣られた子でございます、乳ばなれをしたばかりで、母のふところからよそへ遣られたお高を、父上さまは可哀そうだと思っては下さいませんか、もし可哀そうだとお思い下さいましたら、ここでまたよそへ遣るようなことはなさらないで下さいまし」
「だが西村はおまえにとって実の親だ、西村へもどればおまえは仕合せになれるのだ」
「いいえ仕合せとは親と子がそろって、たとえ貧しくて一椀の粥を啜りあっても、親と子がそろって暮してゆく、それがなによりの仕合せだと思います、お高にはあなたが真実のたったひとりの父上です、亡くなった母上がお高にとってほんとうの母上です、この家のほかにわたくしには家はございません、どうぞお高をおそばに置いて下さいまし、よそへはお遣りにならないで下さいまし、父上さま、このとおりおねがい申します」