Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
Lesen Sie 日本精神史研究 (にほんせいしんしけんきゅう) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 208.277 Zeichen · 415 Bildschirme
姫はやすやすと外に出る。そうして静かに、「あわてぬさま」で、せき立てる天人を制しつつ、翁と帝とに遺書をかき、昇天の支度をして、飛ぶ車に乗って立ち去る。――この段の描写は特に巧妙である。翁の悲しみも、年老いたる翁を見捨てる姫の悲しみも、また昇天を禦ごうとする夜、興奮してののしり騒ぐ人々のありさまも、きわめて躍如として描かれている。ことに天よりの迎えが到着して、天上界と地上界とが全然重なり合った場面の描写はきわ立って巧みである。天よりの人々は地より五尺離れて立ち並んでいる、地上の兵士は力なえて呆然としている。飛ぶ車を屋の上によせる。塗籠の戸がおのずから開く、格子もおのずから開く。姫は立ちいでて泣き伏した翁にいう、「私も心ならず帰るのです、見送ってください。」翁は、「何しに悲しき見送り奉らん、我をばいかにせよとて棄てゝは昇り給ふぞ、具して率ておはせね」と泣く。天人が羽衣の箱や薬の壺を持ってくる。一人の天人が、地上の食を取って心地悪いであろう、壺の中の不死の薬を召せ、とすすめる。姫はちょっと嘗めて、少しをかたみに地上の衣に包んで置こうとする。一人の天人がそれをとめて羽衣を着せようとすると、姫は、「ちょっと待って。