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Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんせいしんしけんきゅう

日本精神史研究

和辻 哲郎

Lesen Sie 日本精神史研究 (にほんせいしんしけんきゅう) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 208.277 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

もし『源氏物語』が今のままの順序で書かれたとすれば、この事は最も理解し難いものとなるであろう。源氏の最初のアヴァンテュールとして描かれるのは一地方官の若き後妻空蝉との姦通であり、第二は親友がかつて関係し今は陋巷に身を隠している夕顔との恋であるが、この二つの恋の間に挿まる御息所との恋は、その重大さにおいて、かくのごとき軽き取り扱いに価するものでない。従って我々は、この軽き取り扱いもまた十分な暗示の力を持っていたことを推測しなくてはならぬ。読者はすでに御息所の車争いや生霊の話を知ってこの個所を読むのである。

藤壺との情事についても同様のことが言える。帚木の雨夜の品定めのあとには、「君は人ひとりの御有様を心の中に思ひ続け給ふ」とあり、空蝉に言い寄る夜には、女房たちが自分の情事の噂をするのを聞いて、「おぼす事のみ心にかかり給へれば、まづ胸潰れて」とある。夕顔との挿話を描く途中には、「人やりならず心づくしに思ほし乱るる事どもありて、」葵の上のもとへ熱心に通わなかったことが断わってある。幼い紫の上に対して愛着を感ずるのも、「限なう心を尽し聞ゆる人に、いと好う似奉れる」