Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
Lesen Sie 日本精神史研究 (にほんせいしんしけんきゅう) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 208.277 Zeichen · 415 Bildschirme
が、このような単純な歌はむしろ例外であって、普通の歌の内容は、直視の鋭さと豊かさとにおいて決して後代の歌に劣るものでない。当時の歌人らは自然の種々相を活発に鋭敏に感受した。心裡に去来する情緒のさまざまの濃淡をもきわめて確実に把握した。そうして情緒の表現に外的事物の感じをば本能的な巧みさをもって利用している。たとえば、
早人の名に負ふ夜ごゑいちじろく君が名のらせ※とたのまむ (巻十一)
夕ごりの霜おきにけり朝とでにいと践つけて人に知らゆな (巻十一)
のごときがそれである。夜ごえを借り来たったことによって、恋に臆する恋人への歯がゆさは、非常に強い表現を得た。夕ごりの霜を歌う歌には、忍び逢うた時の喜びとその恋の背景全体とが、冬の夕、冬の朝の光景のうちに、驚くべく鮮やかに現わされる。
吾背子をやまとへやると小夜ふけて鶏鳴露にわれ立ち霑れし (巻二)
のごときにあっては、露にぬるる肉体の感覚と別れに涙する心の動きとが、実に率直な律動のうちに渾然として響き合うのである。情緒の濃淡の細やかな描写に至っては、
朝寝髪われはけづらじうつくしき君が手枕ふれてしものを (巻十一)