Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 13.809 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

昨日と正反対の心持で暮した今日一日が涙の出るほど可哀そうな様に思われた。

新聞を大変気に入ったところがあったので切りぬいておいたら、紙くずと一緒されてしまった。

たった一つの首人形をふみつぶされた。

「鴨」の原稿を破かれてしまった、小さい妹に、……

こんな事はみんな私の心持をいらいらさせたり、涙をこぼしたりさせたりした。

気の狂った様に汗をながして躰を働かせてホット息を吐くと一緒に心の中にすきのあるような気持になって居た。

おひる前は御ひるっからになったらたのしい事があろうかもしれないとこんな事を思って午後になった。だけどうれしい事もたのしい事もなかった。

「鴨」をかきなおして、里親の家から帰った子、とむしゃくしゃな心のまぎれに題もない短いものをみんなで三つ書いた。

ペンの先にならべられるものの一つ一つの意味もきのうとはまるであべこべのものであった。

夜は心をおちつけようとローソクをつけてだまってからかみをにらんで居た。けれどその焔のゆらめきに私の心も一緒になってゆれて居た。すきな本をひざの上にのせてそのかどをなでまわして、生きた霊のあるもののような気持で紙とかみのすれ合う声や香りを可愛がって居る内によほど気が落ついた。