Japanische Klassiker mit Furigana
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にっきちょう
日記帳
江戸川 乱歩
Lesen Sie 日記帳 (にっきちょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.863 Zeichen · 14 Bildschirme
三月……十日、十三日、十七日、二十三日、
四月……六日、十四日、十八日、二十六日、
五月……三日、十七日、二十五日、
これを見ると、雪枝さんは弟の葉書に対して(それらは皆何の意味もない文面ではありましたけれど)それぞれ返事を出している外に、四月の十四日、十八日、五月の三日と、少くともこの三回丈けは、彼女の方から積極的に文通しているのですが、若し弟が彼女を恋していたとすれば、何故この三回の文通に対して答えることを怠っていたのでしょう。それは、あの日記帳の文句と考え合せて、余りに不自然ではないでしょうか。日記によれば、当時弟は旅行をしていたのでもなければ、あるいは又、筆もとれぬ程の病気をやっていた訳でもないのです。それからも一つは、雪枝さんの、無意味な文面だとはいえ、この頻繁な文通は、相手が若い男である丈けに、おかしく考えれば考えられぬこともありません。それが、双方ともいい合せた様に、五月二十五日以後はふっつりと文通しなくなっているのは、一体どうした訳なのでしょう。
そう考えて、弟の葉書を出した日附を見ますと、そこに何か意味があり相に思われます。若しや彼は暗号の恋文を書いたのではないでしょうか。