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Japanische Klassiker mit Furigana

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はやみみさんじとりものききがき

早耳三次捕物聞書

林 不忘

Lesen Sie 早耳三次捕物聞書 (はやみみさんじとりものききがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.930 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

で、もとよりすこしも疑わなかった。甲府の母が死んだと聞いて、娘は涙さえ見せたくらいである。これには久兵衛も番頭も内心ひそかに感心しているうちに、家主は宿の者にかつがせて来た二百両の小判を、そっくりそのまま女へ渡して、もう用が済んだいじょうは一刻も早く帰りを急ぐといって、早々に引き取って行った。あとで女と久兵衛と番頭が、顔を見合わせて笑った。がすぐに女が言い出したことには、山分けにして百両の小判を貰って行っても、裏長屋では使うこともできないから、小さいのに崩してくれとの頼みだった。もっともだというので、さっそく店じゅうの小銭を集めて、それだけ持たして女を送り出したのだったが――この甲府の大家の置いて行った小判というのが、巧妙なにせ金だったから、兼久は女に細かくしてやっただけ百両の損をして、そのうえ二百両のにせ金を背負いこんだわけだった。

ところが、そもそも甲府の家主と名乗る男が兼久へその話を持って来たということを聞き込んだ時から、早くも怪しいと睨んでいた早耳三次が、絶えず馬喰町の相模に張り込んで、この日もそっとあとを尾けて来ていたので、男が質屋から小銭をさらって出てくる女と物かげで落ち合っているところを難なく捕って押さえた。