Japanische Klassiker mit Furigana
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はやみみさんじとりものききがき
早耳三次捕物聞書
林 不忘
Lesen Sie 早耳三次捕物聞書 (はやみみさんじとりものききがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.050 Zeichen · 20 Bildschirme
「昨日煎餅屋の女房が来た時に出て行こうとした女、自身から進んで身柄取調べを受けた女、その女がお店で買った物を、あっしが一つ言い当てて見せやしょうか――こうっ、固煉りの伽羅油だろう? どうだ?」
「ああそうでした。なるほどそうです。伽羅を一つお買い下すった。だが親分、どうしてそんなことがおわかりですい? それがまた、なんの関係になるんですい?」
「その女は、昨夜あとからまた来たかえ?」
「いいえ。」
「よし。」と三次は何事か決心したように、「お前さん、その女の面にゃあ見覚えがあろうの?」
「さあ。べつにこれといって言いたてるところもございませんが、なにしろ奥まで通したんですから、見ればそれとはわかりましょう。」
「うん。女が来たら咳払えして下せえよ。いいけえ、頼んだぜ。」
番頭は眼で承知のむねを示した。
それから二人は待った。
番頭と三次、来るか来ないか解らない昨日の伽羅油の女を、ここでこうして、気永に待ちかまえることになった。
来るか来ないかはわからない。が、三次は来るという自信を持っていた。しかし、いつまで経っても女は来なかった。
半時過ぎた。一時経った。