Japanische Klassiker mit Furigana
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あすのちせい
明日の知性
宮本 百合子
Lesen Sie 明日の知性 (あすのちせい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.225 Zeichen · 13 Bildschirme
一九二〇年代のドイツは、左翼が活躍し、ドイツ共産党も公然と存在していた時代であった。その時代に育ったエリカ・マンが民主主義の精神をもち、日に日につのるナチスの暴圧に反抗を感じたのは自然であった。エリカ・マンは、はじめ小論文や諷刺物語を書いて反ナチの闘争をはじめたが、一九三三年一月一日、ミュンヘンに「胡椒小屋」(ペッパー・ミル)という政治的キャバレーをひらいて、おなじ名の諷刺劇を上演したり、娯楽と宣伝とをかねた政治的集会を催し、演劇的才能と行動性とを溌剌と発揮して活動しはじめた。
ところが二月二十七日の夜、ドイツ国会放火事件がおこった。真の犯人はナチスであるが、それを口実に共産党への大弾圧を加えるために、計画された陰謀であった。また反ナチ派の勢力の下にあったバイエルン州のミュンヘンでは、この報知をきいても、ナチの悪計とは知らず、エリカ・マンの胡椒小屋は謝肉祭の大陽気で、反ナチの寸劇などに興じていた。
あくる朝、すべての興奮は恐怖にかわって、全ドイツの人々が国会放火の真実の意味を知った。ナチスは、その火事を機会として、ドイツ中の共産党員、社会主義者、民主論者、平和論者、自由主義者、ユダヤ人の大量検挙をはじめたのであった。