Japanische Klassiker mit Furigana
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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
Lesen Sie 明日は天気になれ (あすはてんきになれ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.679 Zeichen · 228 Bildschirme
いつまでもからむばかりでなく、その度が次第にひどくなるから、木村も次第にムキになった。
彼は明日の対局を考えて酒をすごさぬように要心していたが、適度の酒ははいってるし、元々負けぎらいの男だから、ついには満面朱をそそいで
「将棋は実力の勝負だ。腕でこい」
「アッハッハ。なんぼでも、負かしたる。よう、勝てんやないか。オイ、木村。弱いもんや」
「弱いのは、お前だ。オレがいくらボケたって、まだお前より弱かアねえや」
「ホ。勝てたら、勝ってみい」
「アア。勝ってみせるよ」
だいたいこの宴会のはじまるに先立って、木村と升田の座を遠く離しておいた。云うまでもなく二人の仲が悪いから、酔っ払って事が起きては面倒だというので、木村が南正面なら升田は東正面に当る位置に、間に数名の人をはさんで遠く離れているばかりでなく、顔を見合うこともできないような位置に二人の席を定めておいた。
いかにもキメのこまかい行き届いた神経のようであるが、ここがまた案外ゲリラ神経というのかも知れない。ゲリラや野武士が一番心配するのは酒席の喧嘩やそこから発した果し合いなぞかも知れず、紳士のタシナミにしてはいささか神経の行き届きすぎたウラミがあって、こういうところがいま考えると愛嬌あふれ、おかしくて仕様がない。