Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あすはてんきになれ

明日は天気になれ

坂口 安吾

Lesen Sie 明日は天気になれ (あすはてんきになれ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.679 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

すぐ近所の防空壕で人が死んでるのを掘りだして、その木の下へ並べ、太陽がピカピカ照っていた。我々も当時は死人などには馴れきってしまって、なんの感傷も起らない。死人の方にはなんの感傷も起らぬけれども、桜の花の方に変に気持がひっかかって仕様がなかった。

桜の花の下に死にたいと歌をよんだ人もあるが、およそそこでは人間が死ぬなどということが一顧にも価いすることではなかったのだ。焼死者を見ても焼鳥を見てると全く同じだけの無関心しか起らない状態で、それは我々が焼死者を見なれたせいによるのではなくて、自分だって一時間後にこうなるかも知れない。自分の代りに誰かがこうなっているだけで、自分もいずれはこんなものだという不逞な悟りから来ていたようである。別に悟るために苦心して悟ったわけではなく、現実がおのずから押しつけた不逞な悟りであった。どうにも逃げられない悟りである。そういう悟りの頭上に桜の花が咲いてれば変テコなものである。

三月十日の初の大空襲に十万ちかい人が死んで、その死者を一時上野の山に集めて焼いたりした。

まもなくその上野の山にやっぱり桜の花がさいて、しかしそこには緋のモーセンも茶店もなければ、人通りもありゃしない。