Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあん
明暗
岡本 かの子
Lesen Sie 明暗 (めいあん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.887 Zeichen · 12 Bildschirme
休みながらお話しましょう」
智子はやや呆けた茅花の穂を二三本手でなびけて、その上に大形の白ハンカチを敷いた。そして自分は傍の蓬の若葉の密生した上へ蹲った。
「恰好が好いとか悪いとか云ったって僕には自分の恰好さえ見えないんだもの」
三木雄はまだ停っている。智子はもう一ぺん背延びして思い切って三木雄の手を捉えた。
「さ、触ってごらんなさい。あなたのお体がどんなに均整のとれた立派な恰好だか判りますわ。序に私のも……智子も今日は青いクレープデシンの服に黄色い春の外套だわ」
三木雄は、少し顔を赫めながら智子の持ち添える通り手を遣って自分の体や智子の体の恰好にあらんかぎりの触覚を働かせて行った。
「ね、あなたも智子も素晴らしいんだわ、画や彫刻のモデルにされたって素晴らしいんだわ」
「うん、うん」
目が粗らくて触りの柔い上等のウーステッドの服地から智子の皮膚の一部分へ滑って来た夫の手を智子は一層強く握って一瞬ほっと嬉びに赫らんで行く夫の顔色を視つめたけれど、今度は何故か智子自身がすこし悲しく飽き足りない思いがした。「夫に引きいれられてはいけない」智子は内心きっとなった。