Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.820 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

新十郎はそれをいたわるように、やさしく、また彼自身もいたましげに顔をくもらせ、

「それは、どんなお声でしたか? 似たような声をおききになったことがありますか」

「いいえ、似たような声などとは、とても。ただ怖しい叫び声でした。思いだしても、身がすくむように感じられます」

「風守さまは駒守さまと同じような、岩のようなお体格でしたか」

「いいえ似ているところはございません。長いマントのようなものを身につけていらしたから、たしかなことは分りませんが、むしろ痩せて弱々しいお体格に想像されます」

「さきほど、風守さまは天才だと仰有いましたね。そのワケはなぜでしょう?」

「十一二から十八までの詩文のお作品を拝見いたしたからです。難解で正しい観賞はできませんが、そのように思ったのです。この奥の座敷牢に、まだソックリある筈でございます」

光子は無学をはじらッてか、顔をあからめて答えた。新十郎は彼女から訊きうるすべてを訊き終ったので、座敷牢へ案内してもらった。詩文の稿本はそッくり残っていた。

「風守さまの天才をゆっくり観賞したいと思いますが、しばらく拝借できましょうか。決して損んじたり失ったりはいたしません」