Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.950 Zeichen · 85 Bildschirme

Aozora Bunko

「宇佐美通太郎です」

「そうか。たしかに、記憶している。お前の良人はどんな人だ。悪い奴だろう?」

「いいえ。お兄さまと同じぐらい、立派で正しい心の持主です。そして、勇気があります」

宗久はカラカラと空虚な笑声をたてた。

「オレの目をごまかすことはできない。お前はハリガネで松の木に縛りつけられたろう。そして泣いて叫んだろう。オレはそれをきいて行ってやろうと思ったが、足が痛くて、行くことができなかった」

兄はやっぱり狂っているのか。恐怖を必死に抑える苦しさ。ただ祈るばかりである。すると宗久の語気はケロリと変って、大きな目をあけて克子を探しながら、

「宇佐美通太郎はどこにいる?」

「いま、隣室に来ております。お兄さまの身を案じて、どのようにでもお役に立ちたいと堅い覚悟をいだいております」

「そうか。つれてこい」

実にケロリと変って、アッサリした言葉であった。

★

通太郎を連れて戻ると、宗久は自分が命じたことを忘れたように眠りかけていた。二人が到着の挨拶をのべても、二三分は目をあけなかった。ようやく、薄目をあけたが、特に通太郎の方も見ようとはせずに、