Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.950 Zeichen · 85 Bildschirme

Aozora Bunko

この一助、生れつき髪の毛が大そうチヂレていた。一本一本コクメイにより合わせたようにチヂレている。村に居るうちは、他にも似たようなチヂレ毛の持主が居るから、特に注意もひかなかったが、上京以来は、どこへ行っても髪の毛のことを云われる。

ひところは食うものをつめて床屋へ行って坊主頭にしてもらったが、女房を貰ってからは、食う方も元々満足にはいかないから、当節では覚悟をきめてチヂレ髪にハチマキしめて大ッぴらにやってる。けれども、これを人に云われると、不キゲンになってしまう。

食事を終りかけたところへ、

「おうッ。カラッ風のせいか、めっぽう冷えこむなア。朝メシはまだか」

と誘いにきた同じ長屋のカンカン虫。一しょに外へでると、

「お前に耳よりな口があるそうじゃないか。人間万事、人の持たない物を持つ方がいいらしいや。オッ。このハリガミだな」

と立ち止ってはみたが、この字の読める者がない。むろん一助も読めないのである。

ところが、カンカン虫の溜りへ行くと、どうやら横浜の諸方にこのハリガミがあるらしく、溜りの近所にもあるという。字の読める者も二三いて、

「なア。一助。このハリガミだぜ。