Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.950 Zeichen · 85 Bildschirme
という返事であった。まことに、そうであろう。西洋人の経営する食料品店TエンドK商会が日本の壮士芝居の俳優を募集する筈はない。そのハリガミが事実としても誰かのイタズラであることは明かなようだ。
そして、そのようなハリガミをたしかに見たという人もあったが、また、そのハリガミを見て募集に応じたチヂレ毛の男もあって、
「そんなハリガミをした覚えがない」
とTエンドK商会の西洋人に断られてスゴスゴ帰ったという証人も現れた。そして一助の失踪はウヤムヤになってしまったのである。
★
克子は結婚して十七日目に、兄の大伴宗久が病に倒れたという報せをうけた。予感していたことが、やっぱり、と、克子は胸を痛め、良人宇佐美通太郎と共に馬車を急がせて、広大な大伴邸へのりつけたときには、叔父の大伴晴高が小村医師と共に兄の隣室にションボリしていただけであった。
「お兄様の御容体は?」
克子がせきこんで尋ねるのを、晴高は手で制して、
「静かに。静かに」
なすところを失うほど困惑しきっている様子であった。
「そんなにお悪いのですか」
「生命の危険はとにかくとして、カンがたかぶっているのでなア」