Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.755 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

「立ってお預けチンチンは乞食男爵だけ」

ニッコリとイヤに色ッぽく笑って、ふりむいて、立ち去った。大横綱と取的の勝負のように、てんで問題にならない。乞食男爵の正体バクロして一族三名小娘に投げとばされたように見えた。

「それ。人足をよんで、荷を運ばせろ」

周信はいまいましげに政子に目くばせして云った。荷車をひいた人足をつれて来ているから、ただちに積み込みがはじまる。周信は積み荷に一々視線をくばりながら、政子に向って、

「オイ。オレのあれはどこへ包んだ? マチガイなくあるだろうな」

「私の着物類と一しょに、この包みの中」

「どれ?」

周信は中を改めていたが顔色が変った。

「ないじゃないか」

「どうして? アラ、ほんと。ないわ」

「たしかにこの中へ入れたのか」

「いいえ、これと一しょにタンスへ入れておいたのよ。その中のものをそッくり一包みにしたから、この中にある筈だと思うんだけど」

「じゃア目で確めてみなかったのか」

「このフロシキをひろげた上へタンスのヒキダシを順にぶちまけただけよ。そしてそのまま包みを造ったんですから、こぼれる筈はなし、有るものと信じていたわ」

「きっとそのタンスか」