Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.755 Zeichen · 62 Bildschirme
体格の均斉ととのい、手練の手取り相撲。遠江灘オタケの重量も馬鹿力もその技術には歯が立たなかった。
ところが、抜弁天一座の花嵐オソメとなると、段が違う。十六の年から三十一まで十六年間一座の横綱をはり通して、女相撲の禁止令で仕方なく廃業したが、五尺七寸二分三十二貫五百匁。たしかにデブには相違ないが、骨格も逞しく、胸には赤銅の大釜のみがきあげた底をつけたようで、両の乳房も茶碗をふせたように形よくしまって、土俵姿は殊のほか見事であったという。同輩が押しても突いても動きもしない。あべこべにオソメがチョイと肩を押すと吹ッ飛ばされてしまう。草相撲で名を売った諸国のアンチャン関取もたいがい歯がたたなかったそうだ。
遠江灘オタケは口に二十七貫の土俵をくわえたそうだが、花嵐オソメにとってはそれぐらいお茶の子サイサイであったろう。しかし二俵も三俵もくわえて見せる方法がないから、口の芸当はやらなかった。
その代り、四斗俵を七ツまとめて背にかついだ。四俵をタテに、その上にヨコに三俵のせて縄でからげて背負う。一俵十五貫なら百五貫だが、戦後のカツギ屋風景を見ると小ッチャクて、ヤセッポチのお婆さんやオカミサンが二十貫ちかいような大荷物をかつぎあげてそろって潰れもせずに歩いているから、女の背中と腰骨は特別なのかも知れない。