Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.354 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

面白おかしく尾ヒレをつけ興にまかせて書きあげた文章であるから「上等別嬪、風流才子、美男番頭、いずれ劣らぬ達者なシレ者、馬脚を露わすそも誰人か」と結んであるのがその記事である。上等別嬪というのは藤兵衛の妾、お槙のこと。こんな記事を読んだところで、犯人の見当をつける手掛りにならないばかりか、とんだ嘘を教えこまれるばかりである。

「藤兵衛は土蔵にくらしていたのかえ」

「土蔵の二階半分を仕切りまして、居間にいたしておりました。一代で産をきずき、土蔵もちになったのを何よりに思っておりましたそうで、常住土蔵に坐臥して満足を味っていたのだそうでございます」

「妻子も土蔵の中にいるかえ」

「いいえ、藤兵衛一人でございます。至って殺風景な部屋で、なんの部屋飾りもなく、年々の大福帳と、大倉式の古風な金庫が一つあるだけでございます」

「ハバカリは、どうしていたえ?」

「さ。それは聞いておりません」

「そんなことも一度はしらべておくものさ。罪の根は深いものだ。日常のくらし、癖、それをようく知ってみると、謎の骨子がハッキリとしやすいものさ。それでは、お前が見てきたことを、語ってごらんな。