Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.208 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

「峯から峯を伝ってくる人、そして、里の人には姿を見せない参詣人が多いのですよ。我々に多分に喜捨してくれるのは、むしろ概ねこの人々です。日中はあまり姿を見せません。暗くなるころ到着して、明け方には立ち去ってしまうのです」

「天狗のような神主さんはいつもここに居るでしょうか。時には旅にでるでしょうか」

「日中は仕事場で必ず神の矢を造っております。神の矢を造る期間は仕事場に姿のない日はありませんね」

「いまはずッと矢を造る期間ですか」

「左様です。年の暮から翌年の十月までは神の矢をつくる期間です。その期間の日中には必ず仕事場に姿を見ることができます」

「夜間は?」

「夜間は仕事を致しません。住居の方に居られます」

「ここに小屋を持った方々はどういう方々でしょうか。誰でも小屋が持てますか」

「それを欲すれば誰でも小屋をたてて住むことができるでしょうが、それを欲する人は、要するに日本中にこの小屋の数だけしか居らないというにすぎません。小屋の住人は全部といってよろしいほど近隣の里から山へあがってきた人です。そして参詣者は元来が山を住居としている人ですね。山へきても定着するのは、里の人の習慣ですよ。