Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.951 Zeichen · 51 Bildschirme
一足先に戻ってみるとおキンの部屋から畑中が出ようとするのにバッタリ出合う。平素は一点非のうちどころもない船長だから、八十吉はとッさに怪しむ心も起らなかったかも知れないが、これには畑中の方が驚いたに相違あるまい。室内へはいられては困るから、その場をごまかして、言葉巧みに八十吉を誘い、デッキへ連れ去る。オレが見ていたワケじゃアないから、こうまで細かには分らないが、おおよその事情に変りはなかろう。策に窮した畑中は八十吉を海に突き落してしまったのさ。自室へ戻って残り酒をひッかけたから、にわかに疲れが出て椅子にもたれたまま寝こんだのだろう。おキンは利巧な女だから、あらましの事情を察して、畑中の熟睡を見すまし、モリを執ってただ一突きに刺し殺したのさ。日本の海女はモリの名手だよ。モリを片手に十尋の海底をくぐって魚を突くに妙を得ている。海女の手中のモリは、虎の手中の箸のように自由なものさね。おキンがわが部屋を出て船長室に忍びこんだ物音はきこえないから、畑中を殺し、金庫をひらいて真珠を奪い、再びわが部屋へ戻ったおキンを、清松の耳はデッキを降りた男の仕業ときいているのさ。